「心の窓」　お心主義　実践日記

　Kさんには仲良しのMさんがいます。
　二人の関係は何年か前から続いており、一緒にお菓子を食べたり、お互いの誕生日にはプレゼントをあげたりしています。Mさんとはいつも隣同士で二人の間で会話はありませんが、心が通じ合っている様子で、Kさんの「はあい」の言葉にMさんも隣でニコニコしている姿があります。



　KさんとMさんの関係は安定しており、Mさんが自分の事を好きでいてくれるという安心感、そしてそれが自信となっていきました。Mさんとの関係はこれからも続いていく事を話し、新しく仲間を増やしていくのはどうかな？と話すと「はあい」と笑顔に。顔写真の映ったカードを見てもらい新しく仲間になりたいメンバーさんを教えてくれました。それはクラスでも人気者のHさんでした。Hさんも仲間になりたい事を「いいよ」と言ってくれて、Mさんも新しく仲間になりたい事を応援してくれました。MさんとHさんと３人でお菓子パーティーをして仲良くなりました。
　そして仲間の輪が広がって行き、それからKさんはフロアにいると声を出して笑うようになりました。体力的にベッドで休む時間が必要で、ベッドに横になろうとすると「いやや（嫌だ）」と言って拒否をしたり、ベッドの柵に必死にしがみつく姿も見られました。
　Kさんは誤嚥性肺炎で何度か入院をしており、食事もベッドで食べていました。しかし、体力もついてきたので、STさんにも見てもらいながら、少しずつ車椅子での食事に移って行きました。車椅子で食事をすると仲間と過ごす時間も以前より増えて行きました。どんどん体力も出て来て、今ではフロアにKさんの笑い声が響いています。
　そして、仲良しのMさんとクラス旅行にも行きました。体力も出てきたので、オシャレなカフェに行き女子会をするという内容でした。しかし、ペースト食を食べているKさんが食べられるプリンはカフェにはありませんでした。車椅子の関係もあって、そこのカフェが広さも丁度良く、お店の方に事情を伝えると特別にプリンを作って頂けること、Kさんが飲めるりんごジュースを用意して頂ける事になりました。
　当日は、みんなと同じように食べられる事が嬉しくてずっと笑ったり、喋ったりしていました。記念写真も撮って頂き、なにからなにまでしていただいたお店の方、ありがとうございました。




　体力がついて、「自分は病気ではないよ」、フロアでみんなと一緒に過ごしたい、新しい仲間を作りたいと教えてくれたKさん。仲間と一緒に過ごせてとっても楽しそうな姿が見られました。これからもKさんの仲間の輪が広がってくるように応援できたらなと思います。